Pちゃんです。
今回は、僕の「にんにくライス事件」について書きます。
これは僕が23歳の時の話です。
当時、東京都府中市に住んでいた僕は、府中駅前の居酒屋チェーンでアルバイトをしていました。
いつもバイト帰りに、仲間と近くの中華料理屋(いわゆる町中華)で食事をしていました。
ある日、いつものように、このお店に寄った時のことです。
このお店のメニューは壁に貼られているので、その中から選んで注文するシステムでした。
いつもは、そんなにメニュ-を見ないでラーメンとか炒飯を頼んでいました。
この日も、いつも通りにラーメンを頼みました。
出来上がるのを待っている間、壁に貼られている沢山のメニュ-を眺めて、時間を潰していました。
その時、僕の目に入ってきたのが「にんにくライス 100円」!!
「にんにくライス?」
おそらくガーリックライス的な料理だろうと理解し、にんにく好きの僕の胸は高鳴りました。しかも、100円!!
追加注文しようと思いましたが、次回までの楽しみにとっておくことにしました。
ちなみに、一緒にいたバイト仲間は、にんにくライスの存在に気づいていませんでした。
翌日、最も仲の良かったNくんに声をかけました。
僕「Nくん、あの中華料理屋に、にんにくライスっていうメニュ-があるんだよ。」
Nくん「マジ? ガーリックライス的な?」
僕「たぶんね。しかも、100円」
Nくん「うおおお、食うしかないな。俺はガーリックライスが大好きなんだよ。」
僕「100円だし、何杯でも食えそうだよね。」
Nくん「今日は予定があるから、今度、一緒に行こう」
僕「OK。」
Nくんと一緒に、にんにくライスを食べに行く約束をして、その日はすぐに帰宅しました。
その後、僕は就職面接や従兄弟の結婚式があり、しばらくバイトを休みました。
一方、Nくんは休まずにバイトをしていました。
彼は、にんにくライスを食べに行くことを楽しみにしていたらしく、
Nくん「こんど、にんにくライス食べに行くんだぜ。」
後輩A「マジすか? そんなメニュ-あったんすか?」
後輩B「いくらすか?」
Nくん「100円。」
後輩C「安っ。」
Nくん「食べたら、みんなに報告するよ。」
後輩ABC「教えてください。」
という感じで、後輩のバイトたちに、自慢げに話していたそうです。
数日後、とうとう僕とNくんは、約束の日を迎えました。
その日は、一緒にバイトをしていましたが、僕たちの頭の中は、にんにくライスのことでいっぱいでした。
バイト中から
僕「いやー、にんにくライス、楽しみだよねぇ。」
Nくん「早く食いてー。100円だぞ、何杯食う?」
僕「5杯くらい食おうかなぁ。」
Nくん「俺は何杯にしようかなぁ・」
後輩A「いいっすね。食べた感想を聞かせてくださいね。」
僕「美味かったら、みんなに教えてやるよ。」
Nくん「楽しみに待ってろよ。」
後輩ABC「あざ~す。待ってます。」
と、えらそうに後輩に話しながら、楽しみにしていました。
バイト終了後、僕とNくんは中華料理店に直行しました。
着席し、二人で意気揚々と注文しました。
僕とNくん(気合い入れて)「にんにくライス2つ下さい!!」
店員「えっ。」
店員 ちょっと困惑気味。
僕とNくん(もう一度、気合い入れて)「にんにくライス2つ下さい。」
店員「はっ?」
店員 ちょっと機嫌悪くなる
僕とNくん「だーかーら、にんにくライス2つ下さい。」
店員「んっ?」
店員 ちょっとキレ気味
僕とNくん「にんにくライス2つ下さいよ!!。」
店員「ありません。」
まさかの展開に、我々は驚きました。あれほど楽しみにしていたし、後輩たちにイキって自慢していたので、こちらも引く訳にはいきません。
壁に貼ってあるメニュ-を指して、こちらもキレ気味に
「にんにくライス下さい。あそこにメニュ-貼ってあるでしょ。」
と言って、店員と一緒に貼ってあるメニューを確認しました。
ところが、そこに書かれていたのは・・・。
「にんにく ス ラ イ ス」・・・。
数秒、気まずい空気が流れた後、
僕とNくん「すみません、チャーハン2つ下さい。」
二人でチャーハンを食べて、帰りました。
恥ずかしさで、チャーハンの味を感じなかった記憶があります。
翌日のバイトは、Nくんだけが出勤でした。
Nくんは後輩たちから、にんにくライスの感想を聞かれ、とても困ったそうです。
ある意味、僕の不注意が原因のもらい事故でした。
Nくんには、とても悪いことをしました。
噂では、この中華料理店は閉店したそうです。
ありがとうございました。