Pちゃんちゃんの小言

日々思うことについて、徒然なるままに綴っていきます。

最近の老人ホームについておもうこと(収益構造について)

Pちゃんです。

 

今回は、老人ホームについてです。

 

僕はケアマネジャーをしているのと、サービス付き高齢者向け住宅の経営、老人ホーム紹介事業もしているので、老人ホームに関する情報がちょこちょこ入ってきます。

 

最近は月額料金が低い老人ホームが増えている印象があります。

食費込みで月額10万円以下、生活保護OKのホームも出てきました。

月額10万以下って、安いですよね?儲けが出るの?って思いますよねえ。

 

これにはカラクリがあります。

介護保険の支給限度額を使い切るのです。

例えば、要介護1の場合、

月16万8000円程度まで介護保険を使うことができます。

(利用者の負担はその1割、生活保護の場合は自己負担なし)

これを全て老人ホーム側の収入に充てることが出来れば、

10万円+16万8000円=26万8000円の部屋単価になります。

これで利益を出す仕組みらしいです。家賃以外の部分で稼ぐ仕組みなんでしょうね。

 

具体的に説明すると、

まず多くの老人ホームに訪問介護事業所(ヘルパー)と居宅介護支援事業所(ケアマネジャー)が併設されています。

たいていの入居者は要介護状態なので、ひとりでは何も出来ません。

ヘルパーさんの協力が必要です。そこで、介護保険を使ってヘルパーを利用します。

ただし、介護保険を使うにはケアプランが必要です。

そこで、ケアマネジャーさんにお願いします。

ヘルパーさんも、ケアマネジャーさんも併設される事業所にいるので、必然的にそこに頼むという関係が出来上がっている。

すなわち、

老人ホームに入居

→そこにいるケアマネジャーがケアプラン作成

→そこにいるヘルパーを利用する。

という図式。

 

介護保険は自己決定が原則なので、必ずしも併設の事業所を選ぶ必要はありません。

しかし、「入居するなら、ウチの事業所の介護保険サービスを使ってもらうのが条件です。」という法律に反する発言を堂々と言う相談員がいます。

また「食事は冷凍食品でいいんですよ。昼食は、冷凍のうどんを食わせれば利益でますから。」と、ドヤ顔で言う経営者もいました。

安いのには理由があるんですね。

でも、低料金で老人ホームに入れるので、助かっているヒトがいるのも事実です。

 

最初から特別養護老人ホーム(特養)に入ればいいんじゃね?って疑問を感じるヒトがいると思います。

特養は原則として要介護3以上が入居要件となっているのと、待機者がいるので、簡単には入れないのです。

実際に有料老人ホームで働いている方から聞きましたが、今の傾向として、要介護3になるまでは有料老人ホームで過ごして、要介護3以上になったら特養に移るヒトが多いそうです。

 

最も困るのは、要支援で生活保護の方。

要支援だと、介護保険の支給限度額が低いうえに制度上、使い切るのが難しい。

そのため部屋単価を上げられない。その分、家賃とかで補おうにも、生活保護なので、補えない。結局、受け入れ不可となるパターンが多いみたいです。

僕も時々、上記のような相談を受けますが、結構、どこの老人ホームもシビアですねぇ。

 

いろんなホームがあるので、よく考えて選んだ方がいいですね。(当たり前だけど)

ありがとうございました。